8月のNewsPicks Bookである「破天荒フェニックス」
経営の苦楽をリアルに感じられる経済小説です!
純粋に小説としても展開が面白い!
巷では井戸田潤好きにはもってこいとか。
簡単に感想をまとめます!
ストーリーは?
この小説は負債を抱え倒産寸前だった「OWNDAYS」を、
現社長でかつ著者である田中修治さんが買収するところから始まります。
田中社長は2008年にOWNDAYSの経営者となり、
今年2018年で10年間CEOを努めたことになります。
その10年のうち最初の7年間を小説にまとめた感じです。
OWNDAYSは最初14億円もの負債があり銀行が全く融資をしてくれませんでした。
そんな状況から、メガネの素人であった田中社長が業界で確固たる地位を築いていくストーリーです。
ポイント1:資金繰りの大変さ
最初にも述べた通り、OWNDAYSは負債を抱えていて
決算のたびに苦境に立たされるといった状況です。
最後の最後まで資金ショートしかけるという、
気の休まらないスリリングな状況が終始リアルに描かれています。
経営における「資金」の大切さ、そしてその大変さが非常によく伝わってきました。
相当の苦悩があったのだなというのがよくわかります。
そんな気が狂いそうな状況で、どこで勝負をかけるかを判断する経営者の大変さがわかります。
いうまでもなくお金というのはやはり経営における重要ポイントで、
最もプレッシャーのかかってくるところなのだなと痛感しました。
ポイント2:「人」
「人」が経営を大きく左右する重要なファクターなのだとわかります。
社員、共同先、投資者などいろんな人との兼ね合いがあって会社が動いているのだなと感じます。
本書を通して感じたのは、
最も苦労するのも「人」とのかかわり合いであるし、
逆にすごくうまくいくときも「人」がキーポイントになっています。
いろんな人との出会いによって会社は進んで行くのだなと感じました。
人間関係の難しさを乗り越え、様々な出会いによって、
いまのOWNDAYSができているのだなと感じることができました。
ポイント3:成功の条件とは
本書を通して田中社長はさまざまな事に挑戦しておられるのがわかります。
なので成功だけでなく失敗もたくさん出てきます。
他のビジネス書とかなら成功のパターンを書いている場合が多いですが、
本書では失敗のストーリーもたくさん描かれていて勉強になります。
もちろん小説なので実話ではないでしょうが、
田中社長の原体験が元になっていると思うので、「なるほど」と思うことは多いです。
そして、本書を読んで感じたプロジェクトの「成功」。
それは「やって見るまでわからない」ということです。
もちろんそれに向けて死ぬほど準備することは必須なのですが、
イメージ通りのものを作っても成功するとは限らないし、
逆に確固たる成功の保障がなくても直感に従って成功を掴めることもあります。
その判断が経営の難しさでもあり、またやりがいでもあるのだなと感じました。
そして、最終的に「成功」と言えるのは、様々な苦労をなんとか乗り越えて、
挑戦し続けることがポイントなのかなと本書を読み終えた時に感じました。
まとめ
資金繰りが厳しい中で果敢に挑戦して行く息もつかせないストーリー展開なので
500ページ近くありますが、一気に読み切れてしまいます。
勉強になる部分も多いし、小説としても面白いので、
ぜひ一度手にとって読んでみてください!!!